「羽田空港でどこで両替するのが一番お得なのか」——海外旅行を前に、この疑問で頭を抱えた経験はありませんか。
実は、羽田空港内の両替所は、選ぶ場所によって1ドルあたり最大5円近くもレートが違うケースがあります。
1,000ドル両替すれば、その差は約5,000円。知っているかどうかだけで、旅行のスタートから数千円単位の損得が決まってしまう時代になりました。個人的な経験でも、パンデミック後に久しぶりに羽田で両替した際、「同じ空港内でここまで違うのか」と驚かされた記憶があります。
羽田空港の両替所は3社体制に集約されている

まず知っておきたい大前提があります。
ここ数年で、羽田空港からメガバンクの両替窓口は完全に姿を消しました。現在、羽田空港で有人対応をしている両替所は以下の3社のみとなっています。
羽田空港で利用できる主な両替所
- 日本空港ビルデング直営外貨両替所:羽田空港が直接運営する両替所
- SBJ銀行:韓国資本の銀行で、クーポン提示で手数料割引が受けられる
- トラベレックス(Travelex):世界最大手の外貨両替専門チェーン
この3社、米ドル・ユーロに関しては「日本空港ビルデング直営 > SBJ銀行(クーポン利用時) > トラベレックス」の順でレートが良くなる傾向があります。
ある日の調査では、トラベレックスとSBJ銀行のレート差が1ドルあたり約5円にもなっていました。旅行前の限られた時間で、この差を見逃すのはあまりにもったいない話です。
レート比較の実例:10万円を両替するとどれだけ差が出るのか

抽象的な話では伝わりにくいので、具体的な金額で見てみましょう。
仮に10万円を米ドルに両替した場合、選ぶ両替所によって受け取れる金額は2,000〜4,000円ほど差がつくことが一般的です。韓国ウォンやタイバーツなどアジア通貨の場合、その差はさらに広がり、10万円あたり6,000〜8,000円の開きが出ることも珍しくありません。
10万円を米ドルに両替した場合の受取額イメージ(概算)
トラベレックスに関してはオンライン事前申込&空港受取を使うと、空港窓口より2〜3円ほどレートが改善されます。窓口で表示されているレートとネット表示のレートは別物なので、混同しないよう注意が必要です。
ターミナル別のおすすめ両替所と営業時間

羽田空港は3つのターミナルがありますが、国際線が発着するのは第2ターミナル(T2)と第3ターミナル(T3)です。ターミナルによって両替所の配置と営業時間が大きく異なり、ここが意外な落とし穴になります。
第3ターミナル(T3):24時間営業で最も安心
国際線専用の第3ターミナルは、完全24時間運用の心強いターミナルです。
出国前・出国後・到着ロビーのいずれにも24時間営業の有人両替所があり、深夜便・早朝便でも両替に困ることはまずありません。個人的にも、T3から出発する場合は時間的な焦りが少なく、落ち着いて両替所を選べる印象です。
T3のおすすめ:
・出国前 → 日本空港ビルデング直営両替所(3階出発ロビー/24時間)
・出国後 → SBJ銀行(112番ゲート付近/24時間)でクーポン提示
ちなみに、SBJ銀行はウェブサイトで「両替優待クーポン券」を無料配布しており、提示するだけで手数料が割引になります。スマホ画面での提示も可能なので、出発前にブックマークしておくと便利です。
第2ターミナル(T2):深夜便利用時は要注意
問題は第2ターミナルです。
ANAの一部国際線がT2から発着していますが、こちらは24時間営業の有人両替所がありません。日本空港ビルデング直営は21時30分で閉店、トラベレックスも23時でクローズしてしまいます。
深夜発の北米・ヨーロッパ便を利用する場合、気づいたら両替所が全て閉まっている、という「詰み」状態になるリスクがあります。出国後エリアには自動両替機がありますが、そのレートは空港の有人店舗よりさらに悪いため、最終手段としてしか使えません。
T2深夜便の回避策:
T2でチェックインした後、無料の連絡バスでT3の2階到着ロビー(24時間営業の日本空港ビルデング直営)まで移動して両替するのが現実的な解決策です。往復で最低45分は見込んでおきましょう。
通貨別の両替戦略:日本で両替すべきか、現地で両替すべきか

羽田空港でのおすすめ両替所を押さえた上で、もう一つ重要な判断があります。そもそも、その通貨を日本で両替すべきなのか、それとも現地で両替したほうがお得なのか、という問題です。
結論から言えば、この判断基準は通貨によって明確に分かれます。
日本で両替すべき通貨:米ドル・ユーロ
米ドルとユーロは、現地の空港や市中で両替するよりも、日本国内で両替するほうが圧倒的にレートが良い通貨です。例えばロサンゼルス国際空港での両替手数料は10万円あたり19,000〜22,000円という高額になりますが、羽田空港なら同じ10万円で2,000〜4,000円程度に収まります。
欧米圏を訪れるなら、出発前の羽田で両替を済ませておきましょう。
現地で両替すべき通貨:アジア各国の通貨
一方、韓国ウォン・タイバーツ・台湾ドル・ベトナムドン・インドネシアルピアなど、アジア通貨は現地で両替するほうが圧倒的にレートが良くなります。
特にソウルの明洞、バンコク中心部、台北の市街地、シンガポールのラッフルズプレイスなどは「市中両替店の激戦区」として知られ、日本で両替するよりもはるかに有利なレートで交換できます。アジア旅行の場合は、日本円のまま現金を持参して現地で両替するのが鉄則です。
通貨別の両替判断早見表
- 日本で両替:米ドル(USD)、ユーロ(EUR)
- 現地で両替:韓国ウォン、タイバーツ、台湾ドル、シンガポールドル、ベトナムドン、インドネシアルピア、マレーシアリンギット、香港ドル
- 中南米・中近東:日本で米ドルに両替→現地で米ドルから両替するのが主流
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空港両替を使わない選択肢:Wise・Revolutという新常識

ここ数年で急速に広がっているのが、Wise(ワイズ)やRevolut(レボリュート)といった国際送金系フィンテックサービスの活用です。
これらのマルチカレンシー対応デビットカードは、実勢の為替レート(ミッドマーケットレート)に近い水準で両替でき、空港両替と比べて2〜5%ほどコストを抑えられるとされています。
フィンテック系デビットカードの特徴
- アプリで事前に両替しておける(円安が気になる時のヘッジにも)
- 現地ATMで直接現地通貨の引き出しが可能
- カード決済にも使えるので現金を最小限に抑えられる
- 紛失・盗難時もアプリで即時ロックでき、セキュリティ面も安心
ただし、完全キャッシュレスで旅行を完結できるかは渡航先によります。都市部以外や屋台、チップ文化の強い地域では現金が必要になる場面も多いため、空港でのまとまった両替+デビットカードの組み合わせが現実的な最適解と言えそうです。
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余った外貨の出口戦略:POCKET CHANGEの活用

忘れてはいけないのが、旅行帰りの「余った外貨問題」です。
硬貨や少額紙幣は通常の両替所では受け付けてもらえないか、著しく不利なレートになります。そこで便利なのが、羽田空港に設置されているPOCKET CHANGE(ポケットチェンジ)という自動両替機です。
この端末に余った外貨を投入すると、その場で電子マネーやギフトコード(Suica、Amazonギフト券、楽天Edy、PayPayなど)に交換してくれます。硬貨にも対応している点が、従来の両替所にはない大きなメリットです。
レート自体は現金両替より不利になることが多いですが、そのまま寝かせておくよりは確実に価値を取り戻せます。帰国時の選択肢として覚えておくと便利でしょう。
旅慣れた方からよく聞く両替の失敗談

旅行者の体験談
「パンデミック前の感覚で羽田に行き、出国審査後に最初に見つけた両替所で1,000ドル分を両替。搭乗ゲートに向かう途中で別の両替所のレートを見て愕然としました。1ドルで約5円の差、合計5,000円の損失。事前にリサーチしておけば、と悔やまれる経験でした」(40代・会社員)
このような失敗は、決して特別な話ではありません。羽田空港は以前「空港両替の優等生」と呼ばれ、市中と空港のレート差がほとんどない稀有な空港でした。ところがパンデミック以降、状況は一変しています。
羽田空港での両替で損をしないためのチェックリスト

ここまでの内容を、出発前に確認しておきたいポイントとしてまとめます。
出発前チェックリスト
- 出発ターミナルはT2かT3かを確認した
- 出発時刻と各両替所の営業時間を照合した
- SBJ銀行の両替優待クーポンをスマホに保存した
- 訪問国の通貨は「日本で両替」か「現地で両替」かを決めた
- WiseやRevolutの口座開設を検討した(時間がある場合)
- 帰国時の余り外貨はPOCKET CHANGEの位置を把握した
資産運用や家計管理に関心のある方なら、旅行時の両替コストも立派な「運用効率」の一部として捉えるべき領域です。年に数回の海外旅行で数千〜数万円の差が生まれるなら、無視できない金額になります。
よくある質問(FAQ)
総合的には日本空港ビルデング直営の外貨両替所が安定して有利なレートを提示している傾向があります。ただし米ドル・ユーロに関しては、SBJ銀行の両替優待クーポンを提示した場合にわずかに上回ることもあります。その日のレートを見比べて判断するのが確実です。
第3ターミナルには24時間営業の有人両替所があります。日本空港ビルデング直営両替所(3階出発ロビー・2階到着ロビー)と、SBJ銀行(出国後エリア112番ゲート付近)が該当します。一方、第2ターミナルには24時間営業の有人両替所はなく、深夜便利用時は注意が必要です。
空港窓口のレートに関しては、他2社と比べて不利なケースが多いのは事実です。ただしオンライン事前申込&空港店舗受取サービスを利用すれば、窓口レートより2〜3円ほど改善されます。取り扱い通貨数は3社の中で最も多いため、マイナー通貨を両替したい場合はトラベレックスが選択肢になります。
原則としてパスポートの提示が必要です。一部の自動両替機では身分証不要で利用できますが、高額の両替や特定通貨の場合は確認書類の提出を求められることがあります。出国前であれば運転免許証など他の公的身分証でも対応してもらえるケースがあるので、各両替所に確認してみてください。
完全に不要とは言い切れません。渡航先によっては現金のみ対応の店舗や、カード決済に追加手数料がかかる場面があります。個人的には、Wiseで現地ATMから必要に応じて引き出しつつ、最低限の現金(初日の移動費やチップ用)だけは空港で両替しておく併用スタイルが最もストレスが少ないと感じています。
まとめ:羽田空港の両替で数千円を節約する
羽田空港での両替は、もはや「目についた店で適当に」で済ませられる時代ではありません。
基本戦略としては、第3ターミナルでは日本空港ビルデング直営またはクーポン利用のSBJ銀行、第2ターミナルでは21時30分までに日本空港ビルデング直営で済ませるのが鉄則です。米ドル・ユーロは日本で、アジア通貨は現地で、という通貨別の判断も忘れないようにしましょう。
そして時間に余裕があれば、WiseやRevolutといったデビットカードも併用することで、さらにコストを抑えられます。
たった数分の下調べで、1回の旅行で数千円、年間で見れば数万円の差になる領域です。ぜひこの記事を参考に、賢い両替術を身につけて、快適な海外旅行をお楽しみください。